METジュリアス・シーザー

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METライヴビューイング「ジュリアス・シーザー」観てきました。
アリア全曲がヒット曲という、ヘンデルの長大なオペラ。

楽しい演出と、インド映画を観ているような楽しいボリウッドダンスと
ヴァイオリニストとカウンターテナーの茶目っ気たっぷりのオンステージ即興に
ナタリー・デセイ演じるクレオパトラの8回ある衣装チェンジ。
長くても最高に楽しめる舞台でした。



娯楽があまりなかった時代、明らかに現代とは違う時間の流れを感じたけれど
その一方で、人々はどんな時代でも代わり映えのしない現実生活からの離脱を求めてたのね。



バロックと言えばカウンターテナーの存在。
ジュリアス・シーザーはカウンターテナーとメゾソプラノが大勢出てきて
ひたすら同じ音域で捲し立てるので正直頭がおかしくなるのではと思ったけど
1幕終わりにコルネリア&セスト親子の素晴らしすぎる二重唱があって
メゾ同士の(しかも似た声質の)重唱の素晴らしさに思わず息をのみました!


デセイの踊りも良かったけれど、周囲のバロック・プロフェッショナルたちの存在が凄すぎでした。
トロメーオ役のクリストフ・デュモーの存在感とずば抜け感。最高にうまい!!
歌姫デセイにはバロックリズムが身体に染込んでいるわけではないので、ご自身も周囲にだいぶ助けられていることをよく理解しており、この数ヶ月毎日ヨガに通っているという話からも「このクレオパトラ役をなんとしてでも自分のものにしてみせる!」という強い意思が舞台に滲み出ていました。


幕間のインタビュではインタビュアーのルネ・フレミングが
「素晴らしいわ!興奮のあまり歌っちゃう!」
かわいい(笑)その気持ち、すごーくわかる。


ライヴビューイング、良いですねえ。
なんと言ってもメトロポリタン歌劇場の公演が近くで観られる喜び。

これは来期から通い詰めそうな予感です。




p.s.
ちなみにライヴビューイングでは観られませんが、公演期間中デセイが体調を崩して降板した日があり、代打出演したクレオパトラのカヴァーのダニエル・ドゥ・ニースさんが可愛すぎ!目でか!スタイル良過ぎ!クレオパトラはまりすぎ!個人的にはその公演もみてみかったです。

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by minori557 | 2013-05-21 01:03 | art | Trackback

Piano/1966QUARTET 東京音大ピアノ演奏家コース・NYマネス音楽院修士修了。欧米でのコンサート多数。ベートーヴェンのピアノ協奏曲全5曲をオーケストラと競演経験を持つ。旅するピアニスト。


by minori557