ナズドラーヴィエ。

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公演を終えたセルゲイ&イリヤとお疲れさまごはんで築地へ。

神戸から駆けつけたエリも一緒に。


「何食べたい?何飲む?」

...と聞くと

「何でも。君たちに任せるよ」

...ジャパニーズ的な煮え切らない返事。

まあ、何か理由をつけていちいちナズドラーヴィエ(乾杯)する僕たちについてきて
一緒になって飲んでたら君たち間違いなく潰れるから任せてるんだよ

という紳士的対応なんだろうと前向きに解釈。
ロシアはヨーロッパとは違って飲め飲め文化です。
すごい人となると朝起きて水ではなく冷凍庫からウォッカ取り出します。
そして初めて知ったのですが、手酌禁止な文化らしい。びっくり。
(↑刺身を前に熱燗祭が始まっていました。わっしょい。)


セルゲイはこの日のステージで人生初の弾きながら咳が止まらなくなるアクシデントがあり
一度舞台袖にはけて仕切り直そうとした、と後で話していましたが
曲間にひと呼吸置いただけで最後まで見事に弾き続けました。


寡黙な人ですが終演後は饒舌になり、意外と普通に人間らしいんだなーと安心。
ロシア人は飲まない人間を絶対信用しない気がします。
本番前で凝り固まっていた緊張がお酒でやっとほぐれたようで良かった。


ほぐれてきたところで、アンコールのショパンのソナタ3楽章がものすごく良かったので
秋のリサイタルではショパンが全部聴きたい!とリクエストしてみましたが


「つまんないから嫌だ。」


はい。あっさり却下されましたー(笑)


確かにショパンはね、ピアニストは楽しいですけどね、
貴方のテクニックではボーリングピースですよね。。。
今回お弾きになったポロネーズも楽しそうなジャンドロン版でしたしね。。。。
(ちなみにジャンドロン版とはピアノパートの負担が軽減されている代わりにチェロパートが超絶技巧)


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一方、ピアニストのイリヤはいつも通り。
GPでは余裕でラフマニノフのソロを次から次へと素敵に弾いていました。
(冬場のマチネ公演というのは寒さでなかなかピアノの音が立ち上がってこないため
直前の舞台稽古でかなり鳴らしておかなければなりません。)
水曜日の公演で製本されていないバラバラのコピー譜をめくる(スライドさせる?)
というサディスティックな状況になっていたので
昨日は張り切ってセロテープ持参、製本を提案してみたものの


「必要ないよ、イッツインタレスティング。」


。。。

。。。。。

。。。。。。。。。。ぱーどんみー?(笑)


さらに、変色してボロボロなブラームスのスコアは冒頭ページが破けており
勢い良く弾き出す瞬間にぺらんぺらんの紙がヨレッ!!!!となって
手の上にスライディングするかもしれない恐怖との闘い。

なぜにテープで貼ったらダメ?
問い詰めつつスコアを取り上げてみると、


「マネス音楽院付属図書館」の刻印。


あぁぁ!懐かしいっ!!


じゃなくて、、



買いましょうよ。。。。。。(笑)



いろいろスリル満点なアテンド体験でした。



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最後にエリちゃんと。
ぶれぶれだよイリヤくん。
by minori557 | 2012-02-14 00:30 | etc | Trackback

Piano/1966QUARTET 東京音大ピアノ演奏家コース・NYマネス音楽院修士修了。欧米でのコンサート多数。ベートーヴェンのピアノ協奏曲全5曲をオーケストラと競演経験を持つ。旅するピアニスト。


by minori557